クリニック通信

第30回 下咽頭癌

プリン2014.6.JPG   下咽頭は喉頭の後ろで上方は中咽頭、下方は食道へとつながる部分に当たります。次の3つの部分、梨状陥凹、輪状後部、咽頭後壁に分けられます。下咽頭の働きは飲んだり食べたりしたものをうまく食道に通過させることで、今回はここに発生する下咽頭癌についてお話します。

 下咽頭癌は他の癌と同様にその発生原因は分かっていませんが、喫煙と飲酒により発生する危険性が高まると考えられています。その他に、輪状後部の癌では、慢性の鉄欠乏性貧血も関与している場合があります。下咽頭癌は進行して発見される場合が多く、またリンパ節転移を起こしやすいため、腫瘍としての悪性度は高いものと考えられています。好発年齢は50歳以降であり、60~70歳頃にピークがあります。組織型はほとんどが扁平上皮癌です。

 初期にはのどの異物感や、つばを飲み込む時にひっかかる感じがあるなどの症状が出る場合もありますが、ほとんどは症状が出ないことが多いです。しかも下咽頭は、観察しにくい場所であり、進行してから発見されることが多いです。進行すると嗄声や嚥下障害、腫瘍の拡がりによっては呼吸困難をきたすこともあります。また、頸部リンパ節転移も起こしやすく、初発症状が喉の症状ではなく頸部の腫脹として発見される場合もあります。

 診断には喉頭ファイバースコープによる観察が重要ですが、下咽頭の大部分は観察しにくい場所であり、疑わしい場合には、全身麻酔をかけて下咽頭を直視下で観察し、怪しい部分の組織を採取し、病理学的に判断することもあります。病変の拡がりを確認し、組織を採取するためにもこの検査は有用です。その他に腫瘍の拡がり、転移の状態を調べるため超音波検査やCTMRIも必要です。

 下咽頭癌も前回お話した中咽頭癌と同様に病期や全身状態を考慮し、手術、放射線治療、化学療法を組み合わせた治療が主流となっています。下咽頭は喉頭、中咽頭、食道とつながっており、ここの治療は嚥下や発声、呼吸に影響を与えます。これらの機能も考慮した治療が求められますが、前述のごとく下咽頭癌は悪性度が高く、進行した状態で発見される場合が多いので、何らかの機能の犠牲を伴う治療となってしまうことが多いです。

 以上、下咽頭癌についてお話しましたが、この癌は悪性度の高い癌ですのでやはり早期発見が大事です。今回は久しぶりのプリンです。影も可愛く撮れました。

 

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