クリニック通信

第20回 中耳炎について  ①急性中耳炎

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 今回から3回にわたり耳鼻咽喉科で代表的な病気である中耳炎についてお話します。中耳炎とは中耳腔に起こる様々な障害によって生じる炎症の総称です。発症様式や病態によって急性中耳炎、慢性中耳炎、滲出性中耳炎に分けられますが、それぞれをお話していきます。今回は急性中耳炎についてです。

 急性中耳炎の多くは学童前の小児にみられ、上気道炎に続発することが多い中耳の炎症です。中耳と上咽頭をつなぐ耳管という管を経由して中耳腔に細菌やウイルスが浸入して起こります。細菌が浸入し増殖すれば化膿性中耳炎で膿汁が中耳腔にたまります。ウイルス性では膿汁はたまりませんが、鼓膜に水疱状の腫脹が見られることがあります。小児に多くみられるのは、小児の耳管は太く直線的であるために、容易に上咽頭の微生物が中耳腔に入り易いためといわれています。化膿性中耳炎の起因菌は、肺炎球菌、インフルエンザ菌、カタラーリス菌で、前2菌が約80%を占めています。中耳腔に膿汁がたまると発熱とともに鼓膜を内側から圧迫するため、激しい耳痛が生じます。鼓膜が破れて膿汁が排出されると熱は下がり、痛みも治まります。

 診断は鼓膜を観察することにより容易につきます。急性中耳炎の治療法は、症状の程度、鼓膜の発赤や腫脹の程度により判断される重症度や起炎菌の細菌学的検討により決定されます。化膿性中耳炎治療の基本は抗菌薬の内服で、重症度によって投与量や種類も変わります。鼓膜が破れ耳漏が出ている場合は抗菌薬の点耳薬を使用します。重症例では鼓膜切開にて膿汁を排泄し、反復する症例や難治例では中耳腔の換気を改善させる目的で鼓膜にチューブをはめ込む治療を行うこともあります。ウイルス性の中耳炎には抗菌薬は効果ありませんので、鎮痛薬などの対象的な治療になります。前述したように上気道炎が先行していることが多いので鼻の処置や鼻吸入なども必要です。

 多くの場合は1週から2週間で治りますが、鼓膜切開を繰り返しても治らなかったり(遷延性中耳炎)、一時的には落ち着くがすぐに再発したり(反復性中耳炎)といった経過をとる場合があります。低年齢、集団保育、兄弟がいる、家庭内に喫煙者がいる、などの場合このような経過をとりやすく、いずれも上気道炎を繰り返し、薬剤耐性菌が感染しやすい状況と考えます。乳幼児は痛みを訴えず、耳をしきりに触る、機嫌が悪い、熱が下がらないといった場合も中耳炎のことがあります。耳の症状がない場合でも中耳炎の事がありますので風邪の季節にはご注意下さい。今回の写真はまたまたプリンです。プリンは写真写りが良いですね。暖かくなってきましたので写真撮影頑張っています。

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