第15回 めまいについて

今回から数回にわたりめまいについてお話させていただきます。皆さんはめまいと言えばどのようなものを思い浮かべますか。グルグル回る、フワフワする、目の前が真っ暗になる、など人によって様々だと思います。グルグル目が回るめまいは『回転性めまい』、フワフワふらつくめまいは『浮動性めまい』、クラッとしたり目の前が真っ暗になるめまいは『立ちくらみのようなめまい』とめまいを3つに分けてお話してみます。先ず今回は入門編としてめまいの性状からどのような病気が考えられるかです。
回転性めまいは自分自身がグルグル回っている感じや周囲が回っているように見える、周囲が流れているように見えるなどの症状で、耳が原因の場合が多いです。吐き気や嘔吐も伴います。片一方の耳の聞こえが悪くなったり(難聴)、耳鳴りがしたりという症状があり、体を動かさない時にも起こるめまいはメニエール病や突発性難聴、内耳炎などが疑われます。これらは内耳の三半規管と蝸牛の両者が異常を起こした状態です。寝たり起きたりした時や寝返りをうったり、座っていて下を向いたり体を動かした時のみに起こる誘発性があり、難聴や耳鳴りは無く、めまいは数秒で治まる場合は良性発作性頭位眩暈症が疑われます。これは蝸牛には異常なく、三半規管のみの異常で起こります。めまいには誘発性はなく、難聴や耳鳴りも無い場合は体の平衡感覚をつかさどる神経である前庭神経の異常の病気で前庭神経炎が疑われます。めまいは非常に強く、数日間にわたることが多いです。以上は耳が原因のめまいですが、脳出血や脳梗塞などの脳の異常でも回転性のめまいは起こります。その場合は頭痛や手足のしびれ、手足が動かしにくいなどの症状を伴うことがあります。
次に浮動性めまいですが、多くの場合は脳の異常で起こります。からだがフワフワした感じでふらつく。まっすぐ歩けない。同じ姿勢でいられないなどが浮動性めまいの症状です。意識障害、頭痛、顔面や手足のしびれ、手足が動かしにくい(運動麻痺)、ろれつが回らないなどの症状を伴えば脳梗塞や脳出血など脳の異常が疑われます。小脳や脳幹部の出血や梗塞による場合はめまいの症状は強く急激に症状が出現する場合が多いです。脳に行く血液が一過性に不足する椎骨脳底動脈循環不全でもめまいは起こります。首を回したり、体位を変えた時に起こることが多く、回転性のめまいの場合も多いです。血流が悪くなる部位によって様々な随伴症状が起こります。耳が原因のメニエール病や前庭神経炎の激しいめまいの後に浮動性めまいが続く場合があります。
最後に立ちくらみのようなめまいですが、立ち上がった瞬間にクラっとしたり、目の前が真っ暗になる状態です。これは血圧の変動によって脳に送られる血液の量が減少して起こり、起立性低血圧や高血圧で血圧が安定していない場合、不整脈、貧血、低血糖など全身の病気が原因のことが多いです。
めまいの原因は様々ですが、めまいの性状や随伴する症状などからある程度どこが原因のめまいかは推測できます。回転性のめまいは耳鼻咽喉科へ、意識障害や頭痛、手足のしびれ、運動麻痺などの症状を伴うめまいは脳神経外科へ、立ちくらみのようなめまいは内科へ先ず受診するのが良いでしょう。めまいの多くは耳鼻咽喉科関連の病気で起こることが多いですので、どこの科へ行ったら良いか判断がつかない場合は耳鼻咽喉科を受診することをお勧めします。次回からは耳が原因のめまいについて詳しくお話します。今回の写真は再びプリンの登場です。外遊びした後に美味しそうに水を飲んでいます。
タイトル一覧
- 第19回 花粉症は日常生活に支障をきたします。
- 第18回 前庭神経炎とその他の内耳性めまい
- 第17回 良性発作性頭位眩暈症
- 第16回 メニエール病
- 第15回 めまいについて
- 第14回 睡眠時無呼吸症候群の治療
- 第13回 睡眠時無呼吸症候群の診断
- 第12回 睡眠時無呼吸症候群について
- 第11回 声がれについて
- 第10回 インフルエンザについて
- 第9回 頭頸部癌による頸部リンパ節転移
- 第8回 甲状腺の腫れについて(後編)
- 第7回 甲状腺の腫れについて(前編)
- 第6回 首の腫れについて
- 第5回 止まらない咳
- 第4回 シラカバ花粉症
- 第3回 アレルギーとは(後編)
- 第2回 アレルギーとは
- 第1回 耳鼻咽喉科とはこんな診療科です
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